①時代が変わるとき
緊急事態宣言が出された今、皆さんは何を感じていますか?
一回目に行われた時と比べたら、なんとなく危機感も薄れて、日常もほとんど変わりなく過ごしていませんか?
朝の満員電車は変わらない、土日のショッピングセンターなども人出が変わらない、という状況もあれば、在宅ワークになった、学校も時差登校になったなどの話も聞きます。

初めてコロナウィルスの一報が出されてから1年が経ちますが、全世界をみた時に経済的な変化、人と人との関係性の変化が大きく起こったのではないでしょうか。

サービス業などの成長率の大幅なマイナス、家計もほぼマイナスな数字になっているようです。
倒産する会社、解雇される人、新しい職を探してもみつからない、厳しい状況にあると思います。

人間関係もリアルに出会うよりも、オンラインを使用することが多くなりました。
買い物、会議、仕事、勉強・・新たにオンラインが定着していくことが考えられます。
家から一歩も出ることなく、生活ができてしまうようになりますね。

今コロナ禍ということを通して、世の中が大きな変化の渦にのまれる時ではないでしょうか?

非常事態宣言が出される前に、映画「天外者」をみました。
幕末から明治になる時代に活躍した五代友厚の物語。
この「時代が変わる」その凄さを目の当たりにしたようで、その時代の変化の衝撃を感じました。

その映画の幕末から明治にかけての時代の変化と今の時代の変化が重なってみえました。

「時代」と書くと自分とつながらないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
でもこの「時代」を理解することはすごく大事です。
私たちは時代とつながって生きています。私たちの生活に密接に影響しています。
時代を海、人間をお魚とイメージしてみてください。
綺麗な海には元気なお魚が育ちます。汚い海ではお魚は元気がなくなってしまいます。
そしてその汚れがひどければ、お魚は死んでしまいます。
お魚は海があるから生きていけるのです。
海とお魚は切っても切れない関係性にあるのです。
時代と人(私たち)の関係も同じです。
人間も人間だけで存在することはできず、時代に影響され、時代によって生かされているのです。

そのことをもう少し、自分のこととして考えてみましょう。

赤ちゃんが生まれてくる前、赤ちゃんはお母さんのお腹の中で成長します。
この海=子宮がなければ生きてはいけません。
子宮だけではなく、お母さんが食べたものや、お母さんの身体の状態、お母さんの感情、思考までもがお腹の赤ちゃんに影響します。
赤ちゃんはお母さんの海の中で泳ぐお魚さんです。

そして生まれてきたら、今度は家族の関係性の中で育ちます。
また成長していくにつれ、保育園・幼稚園という海、小学校・中学校などの学校の海、仕事・趣味など社会の海と、どんどん海の範囲が広がり、そこに影響される「お魚さん=あなた」になるのです。
その学校や仕事・趣味などは、また大きな海の中にあります。
それが日本という国の教育、経済、政治の影響をもろに受けています。
そして、日本は世界、特にアメリカの影響を受けているお魚さんでもあります。

自分の人生として個人でみてしまいがちですが、私たちの人生は日本の教育、経済、政治、そしてそこに影響を与える世界との関係、その世界をつくるのは世界で開かれている様々な国際会議での取り決めの影響を受けているのです。

自分とは別の意思によってつくられたみえない決まりの中で、そのこともよくわからずに、私たちは自分の人生を生きているのです。

例えば幕末から明治にかけての変化をみてみましょう。
江戸時代、日本は一つの国家というより、幕藩体制が取られていて、幕府がありつつも、そのもとに藩がおかれ、藩独自の政治も行われていました。
一国と言えば、日本ではなくて、薩摩藩とか長州藩とか藩が基本だったのです。
また士農工商と身分がわけられた生活をしていて、自らその身分を選択することは不可能でした。
それが幕末を通して、アメリカ、西洋という国が入ってきたことで、日本の社会が大反転してしまいます。

幕府が倒され、天皇に政権が戻ります。
一番身分の高かった武士が刀を置き、「士族」という身分となり、幕府からもらっていた収入がなくなり、大打撃をうけたそうです。
生活のために、商人になったり、起業をした武士もいれば、北海道の開拓事業のプロジェクトに参加した武士もいたそうです。

今でいう転職にあたるのかもしれませんが、ただ仕事が変わるだけではなく、
アイデンティティーが土台から変わってしまっているので、
この変化は天と地がひっくり返るくらいの変化だったのではないでしょうか。

今まであなたは日本人でした。けれどこれからは宇宙人ですね。」と言われるくらいの衝撃があったのではないでしょうか。
自分の意志ではどうしようもできないことなわけです。

それまで「日本」というある程度閉じられていた空間に、西洋という全く違う外の概念が入ってきたことで日本はプレートが大きく変化し、そのプレートに住んでいる人たちの生活、人生はそれまでの常識が全く通用しなくなってしまったのです。

実は私たちが生きている今も、この幕末から明治にかけて時代が変わった時以上の時代の大転換の時なのです。

透き通った海で無数の魚が自由に泳ぎ回る姿

②今手放すものとは
明治から今に至るまでも、政治体制、経済、教育、関係性においては多々変化はありました。
太平洋戦争でも大きく時代のプレートが変わりました。
世界のプレートも大きく変わっています。
ものつくりから、金融経済、そしてITの進化により、今の社会は情報化社会となっています。

武士が刀を手放せなかったように、多くの現代人がスマホを手放せない状態にいます。
朝起きて、スマホでラインやメールをチェックしたり、音楽を聞いたり、YouTubeを見たり、SNSで交流したり、情報を得たり、アプリを使えばあらゆることがスマホ一つで済んでしまう生活です。

総務省の調査(2018年)個人の情報通信機器の保有状況をみると、モバイル端末は全体の84.0%であり、そのうちスマホ保有率は64.7%という状況です。

そしてインターネット利用率をみると個人では79.8%となっています。
年齢層も13歳から60歳までは、各世代で90%を超える利用率になっています。

ほんの10年前には考えられなかったことだと思います。
ちなみに日本にiPhoneが誕生したのが2008年7月だそうです。
そこから多くの人がスマホなしでは生きていけなくなっている急激な変化。

スマホがあるだけで、世界中の大量の情報が即座に入手でき、また世界中の人ともつながることが可能になりました。
その分、色々な情報が入りすぎ、情報にふりまわされ、疲れてしまったり、出会いも比較対照や何かに追いかけられるような感じになって疲弊してしまったり、リアルに目の前にいる人とのつながりも薄れてしまったり、ということも起こってきています。

スマホを持つということに限らず、IT、ネットが発達して来ていることで、新しい職業も生まれてきています。
ユーチューバーが一番いい例ですね。
テレビの時代は特定の人しか番組の制作にかかわることはできなかったけれど、YouTubeは誰でもがつくり手になり、みせる側になることができます。

また国勢調査によるとインターネットの発展により、新しくつくられた仕事が
情報ストラテジスト;システムコンサルタント;ビジネスストラテジスト;ISアナリスト/ITサービスマネージャ;システム保守技術者;サーバー管理者;情報セキュリティ技術者/情報処理プロジェクトマネージャ
だそうです。

それまでにない職業が創られることもあれば、反対に2045年にシンギュラリティが起こり、なくなる職業もあるといわれています。

またそれまでは実物の貨幣を使ってお金の流通をつくっていましたが、今はクレジットカードや電子マネーといった見えないお金の流れが主になってきています。
そして国が管理しないビットコインや地域通貨といったものもあり、お金に対する認識もだいぶ変化してきています。

時代が大きく変わってくることは間違いありません。

少し余談になるかもしれませんが、初めてプログラミングができたのが1954年FortranやCOBOLというプログラミング言語が開発されたそうです。
この時から67年。

このITの進化発展による情報化社会、さらに人工知能の急速な進化も加わり、未知なる世界がどんどんできてきています。

AIを取り入れた企業で面白いところでは、くら寿司がマグロをAIで仕入れていたり、静岡県の農家の人がキュウリの選別にAIを利用していたりするそうです。
データが取れるものであれば、AIは人間よりも正確に判断し、労力も無駄がなく、生産性もあがり、仕事をこなしていくわけです。
シンギュラリティ(技術的特異点・人工知能が人間の知能をこえるポイントのこと)のことも問題になってきますが、そうなると人間がこれまでしてきた仕事がAIにとって代わられます。
ユヴァル・ノア・ハラリ氏が書いたホモデウスの本の中では、
AIを使えるひと握りの人がトップに来て、その下にAIが来て、さらにその下に仕事がない・何もすることができない人「無用者階級」と呼ばれる人たちができてくる
と、書かれています。

仕事がない。収入は仮にベーシックインカムでとなったとしたら、ただ生かされているだけで、人間に対しての意味価値がわからなくなってしまうのです。

刀を手放さざるを得なかった武士たちと一緒です。
武士というアイデンティティーがなくなったら、何をすればいいのか、どう生きればいいのかわからなくなります。
そして今人間も人間というアイデンティティーの危機にいるのです。

江戸時代、黒船がやって来て、海外との違いが明らかになり、日本はその当時の日本のままでいることに危機を感じ、これまでの意識を手放して時代を変える、日本を変えると立ち上がった若者たちがいたからこそ、今日本という国は存在しています。

今の時代は日本のみならず、世界、地球規模で人間のアイデンティーの危機になっています。
このことにいち早く気づいて、刀を手放すがごとく、人間であることを手放すことが必要なのです。

圧倒的な大きさの黒船が停留している姿

③日本から生まれる新しい技術
明治維新の時、日本は日本の外である西洋の技術、文化を受け入れました。
その時と同じで、今日本は外を取り入れる時です。
何に対して外を取り入れるのか。
それは人間に対してです。

これまで人は人の外を開発してきました。
明治になって、日本は西洋の技術を社会体制に積極的に取り入れてきました。
港湾、灯台、電信、鉄道、道路などの建設を推し進めてきました。
そして西洋から取り入れた科学技術を、学校教育というパイプを通じて徹底して普及させてきたのです。
この当時は日本自ら科学技術を生みだし進化させるのではなく、すべて模倣だったのです。

西洋の技術を取り入れたことで、日本の社会は変わり、時代、歴史も変わっていきました。
今IT技術も同じです。
西洋でつくられたIT技術。
日本のIT技術者は109万人、中国では227.2万人、インドでは212万人となっています。
この格差、凄いですね。
IT技術では日本は後進国です。

全体的に外の開発を行い生活は便利になってきたけれど、人間自身の機能の変化はしていません。
これからはチップが入り、それこそ外からの刺激で、人間の機能が変化する可能性はありますが、それは自らの意志を持った変化ではないので、何かによって支配統制されてしまいます。
そうではなくて、人間の外を取り入れて、自らの意志で人間の機能を変化させるのです。
その新しい技術が今日本から生まれています。

1人の男性がヘッドホンを使ってプログラミング学習をしていると夕暮れ時を迎える

④夢をあきらめる人から夢を実現できる人になる
それがITと心のプログラミング技術です、ただのIT技術ではありません。
心が入ることが最大のポイントです。
これまで西洋の真似をして科学技術を使い、産業も職業も真似をして作ってきたけれど、これからは日本独自の産業が生まれ、新しい職業が生まれてくるのです。
それによって、今の時代の危機をひっくり返し、新しい時代をつくっていくことができます。
江戸から明治への時代のプレートチェンジを超える、大転換です。

心を取り入れることで、人類誕生から700万年間変わらなかった人間のアイデンティティーの変化が起こせるのです。

これまでは人間の外の時代の変化があり、組織の変化があり、人間の身分としてのアイデンティティーの変化がありました。
これからは人間そのものの変化、そしてそこから生まれる組織の変化があり、時代が変わっていくのです。
人間そのものの変化によって、エネルギー、感情、思考の使い方が変わります。
今まではその使い方さえもわからずに、ただただ時代の海、関係性の海におぼれてアップアップしている状態でした。
それが自ら時代の海を変え、関係性の海を変え、生き生きとするお魚さんになれるのです。

この新しい技術を取り入れることで、問題点が明確に分かり、その問題をスッキリ解決できます。
今PCのクラウドを通して色々なことが共有できているように、人の意識空間をクラウド化でき、早いスピードでチームプレーができるようになります。
これまで実現不可能であったことが可能になっていくのです。
それによって夢・VISIONがどんどんと広がっていきます。
個人の可能性を最大限活かしながら、チームプレーをしてつくりたい未来をつくれるようになるのです。

幕末の若者たちは熱い心をもって日本の未来を創るための行動を起こしました。
その若者以上に熱い思いをもって、世界の未来をつくるために行動を起こす、勇気ある人が沢山うまれていきます。
あなたもその一人になれます。

最後に映画で五代友厚の言っていた言葉
私は夢のある未来が欲しいだけだ
今この言葉の思いを共に味わってみませんか?

夢勇気調和鼓舞と英語で書かれた4つの石
Published On: 2021年1月26日 / Categories: 教育 / Tags: , , , , /